藤原新也が山口敬之準強姦疑惑の現場に足を運び徹底検証! ホテルでも寿司屋でも、山口の卑劣反論のウソが浮き彫りに

http://lite-ra.com/2018/01/post-3763.html

だが、そんななかで、写真家・作家の藤原新也氏がこの事件にアプローチした記事を発表した。これまでも写真で世界を伝え、独自の視点から社会の実相をルポとしてまとめてきた藤原氏だが、現在発売中の「SWITCH」(スイッチ・パブリッシング)では、伊藤さんとの対話のみならず、事件の現場となった東京・恵比寿の鮨屋やホテルといった場所を辿っている
そして、藤原氏は〈そこには現場でしか知り得ない気づきがあった〉と綴っているのだ。
気づきというのは、山口氏の主張がいかに現場の様子と食い違っているのか、という点である。

たとえば山口氏は、「月刊Hanada」(飛鳥新社)2017年12月号に寄せた独占手記のなかで、「泥酔した」伊藤さんをタクシーに乗せ、自身が宿泊していた東京・白金高輪シェラトン都ホテルに連れてきた際のことを、このように記している。
〈このホテルでの移動について、あなたは「意識のない状態で部屋に連れ込まれた」と主張していますが、それはあなたが何と言おうと物理的に不可能です。ホテルの一階ロビーは、車寄せからエレベーターホールまで百メートルほどあります。もしあなたの主張どおり、全く意識のない状態だったとしたら、私はあなたを抱えて、どうやって百メートルも移動したというのでしょうか?〉
 しかし、藤原氏が実際にホテルを訪れ、歩幅でその距離をはかると、〈距離はその半分のわずか五十メートルだった〉という。山口氏は「週刊文春」(文藝春秋)に掲載された「韓国軍に慰安婦」記事でも米公文書の内容や被取材者の発言を捏造していたことが報じられたが、やはり伊藤さんの問題でも事実の捏造をおこなっていたのだ。藤原氏はこう綴っている。
〈いちげんの客ならともかく長逗留して何度もその道程を往復している彼が距離を倍も誤認することはあり得ない。ここには自らの立場を有利に見せようとする“サラッとしたが垣間見える〉

さらに、山口氏は手記のなかで“ホテルのラウンジにはスタッフがズラリと並び、宿泊客やレストラン利用者が往来していた”と主張しているが、藤原氏事件時と同じ金曜日の23時にホテルを訪れると、スタッフは4名しかおらずロビーも閑散としていたという。「都内のシティホテル」というと賑やかな風景を思い浮かべがちだが、〈このホテルは芸能人がお忍びで使うことで知られる都心の離れ小島、白金にある閑静なホテルであり、銀座の帝国ホテルのように無関係な人が右往左往するようなホテルではない〉(藤原氏)のだ。

 また、藤原氏は山口氏が言う“長年の行きつけである鮨屋のカウンター席で酒に薬を盛るという犯罪行為をするわけがない”という主張にも、こう疑義を呈する。
〈一見それは誰が聞いても納得する論理のように思える。しかしここには落とし穴がある。たとえば性犯罪者がかりに少女を誘拐するような場合、“土地勘”のある場所が選ばれるのが常であり、見知らぬ土地で行為に及ぶことは逆にリスクを伴うのである
 これはもっともな意見だろう。そもそも、店主やスタッフと懇意だからこそ、常連としての信頼あるいはその関係性から不審な行動をとっても見過ごされるのではないか。

しかも、藤原氏はこの鮨屋にも平日の19時に〈カップルを装って〉入店。カウンター席には藤原氏のほかには1組しかおらず、2人の板前も〈寡黙な方々で熱心に手元ばかりを見ていた〉こと、さらに、山口氏と伊藤さんが座ったカウンターのもっとも奥の席は〈壁際の左片方が完全に他客からの死角になる〉ことを指摘している。当時、伊藤さんが座ったのはその壁際の席であり、その上、カウンターの構造から〈かりにカウンター上にコップが置かれたなら右斜め後方に立つ板前の目からは死角になる〉と藤原氏はいう。

たとえば性犯罪者がかりに少女を誘拐するような場合、“土地勘”のある場所が選ばれるのが常であり、見知らぬ土地で行為に及ぶことは逆にリスクを伴うのである