安倍改憲を阻止するただ一つの方法(山尾志桜里)

https://webronza.asahi.com/politics/articles/2018100300005.html?page=1

安倍晋三総理の自民党総裁三選が決まり、第4次安倍改造内閣が発足した。今後、速やかに野党が憲法議論をリードしない限り、来年にも安倍総理が「日本国憲法を改正した初めての総理大臣」となる確率が飛躍的に高まってきた。

裏を返せば、本題に掲げた「安倍改憲阻止するたった一つの方法」とは、「野党が議論をかってでる」に他ならない。もっと丁寧にいえば、「与党単独の原案提出前に、野党が原案作成のプレーヤーに名乗りをあげること」である。
さらに具体的に言えば、秋の臨時国会スタートの前後に、野党側から「自公だけでの原案提出が現実化したと言わざるをえない今、憲法に統制される側の政権与党に、憲法改正を委ねるわけにはいかない。したがって、この国会からは、憲法の議論は我々野党がリードする。我々こそが原案作成のプレーヤーになる。もちろん、与党も参加してもらうことは構わない。じっくり、テーマ設定の洗い出しから始めよう」という姿勢に転換することである。

呆れた。
山尾論文を読んで、前原を思い出した。
ちょうど一年前に、国政選挙前にコイケにひれ伏して大切な民進党をブチ壊し、結果的にモリカケの安倍を勝利させた、前原という許しがたい自爆男を思い出してしまった。
この山尾論文には、前原という思い出したくもない男を、思い出させるものがある。
というのも、野党側が改正の議論に乗るのは、最初から負けを認めたに等しい、前原的な愚行だからだ。
言うまでもないことだが、一回目の国民投票であれば、否決される可能性がじゅうぶんにある。
世論調査をみれば、安倍の改憲に反対する声が、だいたい50%を超えている。
まして安倍はモリカケ問題で汚いイメージが強く、安倍を「信用できない」と答える人は、70%を超えている。
安倍の支持率は確かに高いが、一方、安倍を絶対に許さないと腸が煮えくり返っている人たちの燃え上げるような激しい怒りは、数字には表れてこない。
私一人だけでも、安倍支持者たちを1000人ぐらい倒せるほどの気合いと情熱は、常に湧きあがらせている。
憲法改正に反対する声は根強く、まして憲法9条の改正に反対する人は多い。
だから国民投票で否決される可能性が高いのに、野党側から議論をもちかけて、安倍に協力するのは、得策ではあるまい。
一回目の国民投票は、対案を出すのではなく、対決あるのみだろう。
野党側が改憲の議論をリードするのは、二回目の国民投票からでよい。
どうせ安倍の改憲案だって、「おためし改憲」で仕掛けて一度で終わらず、一回目はハードルを下げて自衛隊を明記するにとどまり、二回目の国民投票で真の目標を実現しようと企んでいるフシがある。
一回目の国民投票から、野党側が安倍の改憲に協力してしまうと、反対する国民を無視することになる。
安倍側が「おためし改憲」で国民を誑かした後に二回目の改憲で果実をもぎとる、二段階改憲を目論んでいる以上、野党側も最初は徹底抗戦して断固阻止につとめるべきだ。
それでもなお、野党側が物分かりよく安倍の改憲議論に乗ってやり、お勉強のできる野党側が議論をリードできたとしても、安倍は難しい話を理解できないから、結局は強行的に押し切られるだけ。
自衛隊がかわいそう」などと吐露する人間の改憲案は、どうせ支離滅裂の汚らしい文言になるから、わざわざ野党側から対案を出して、安倍に知恵をつけてやる必要はない。
万が一、安倍の気持ちの悪い改憲案が提出された場合、国民投票で否決される可能性が高まり、さらに好都合である。
野党側が安倍に協力せず、安倍に知恵をつけず、安倍の策略にのらなければ、ド汚らしい改憲案が国民に提出されることになるから、さすがに多くの国民もハッ!と気づくだろう。
そして国民投票で否決されたら、安倍は権力の座から引きずり降ろされて政権を失い、モリカケ問題が再燃して安倍はパククネ化して、改憲が党是の自民党は目的を失って消滅する、輝かしい未来がやってくるかもしれない。
大阪維新だって都構想詐欺が住民投票で否決されたのだから、まして安倍の、モリカケの安倍の、漢字が読めないオツムの安倍の改憲詐欺など、国民投票で絶対に断固否決される、と私は今から断言しておく。
山尾は、改憲議論をリードすると称して、第二の前原になるな!と言いたい。