薄いのがいい

 

190頁の薄くて読みやすい本だけど、最初、何が書いてあるのか分からなかった。

自分でも何を読んでいるのか、途中から分からなくなった。

4回くらい読んで、やっと理解できた。

本書は、『知の考古学』と『監獄の誕生』の間に位置する講義録。

言説の産出は、いくつかの「手続き」によって、管理・選別・組織化・再分配されるのだ、とフーコーは仮説を立てる。

「手続き」として、まず排除の手続き。

「禁じられた言葉、狂気の分割、真理への意志という、言説に課される3つの大きな排除のシステム」があるという。

「禁じられた言葉」とは「禁忌」のことで、具体的には「対象をめぐるタブー、状況に応じた儀礼、語る主体の特権的ないし排他的な権利」を指しており、これが「セクシャリティの領域と政治の領域」で酷いらしい。

「狂気の分割」とは、「理性と狂気の対立」によって分割・廃棄された狂者の言葉。

「真理への意志」は、制度的な知のこと。

これらは言説の管理を外部から行使される「手続き」で、28頁以降、「言説が言説自身によって管理される」内的な手続きが論じられるが、省略。

フーコーは、まだ読める内容だから、マトモな方だ。

テクストに書かれている事だけを、テクストの内部だけで読めばよく、良心的である。

同時に、デリダの『動物を追う』を読んでいたのだが、あまりに異様な文章なので、自分の頭がおかしくなりそうだった。