すごい

 

カミング・アウトの行為はまさにそのようなものだ。それは権力を伴う無知を、無知として暴くことができる。(110頁)

すなわち性的欲望は、安定したアイデンティティを溶解させる、予測し難い強力な溶剤である。さらに、一見ヘテロセクシュアルな対象選択は、同性間の影響と欲望とに強くしるしづけられており、また逆に、一見ホモセクシュアルな人間やホモセクシュアルな対象選択は、異性間の影響と欲望とに強くしるしづけられている。またさらに、少なくとも男性のヘテロセクシュアルアイデンティティと近代の男権主義文化とは、それら自体を維持するために、広く行きわたりしかもそもそも男性に内在する同性間欲望を、スケープゴートにするような形で顕在化させることを必要とする、といった一連の見解である。(121頁)

知らなかった。

男には同性間の欲望があったとは。

再読したら、アッと驚くような事が書かれてあって、興味が湧いた。

「ホモ/ヘテロセクシュアル」という二項対立をブチ壊そうとするポストモダンは、嫌いじゃない。