クセが強い

 

ところが科学者は、俗悪な価値観を撒き散らしている。科学の使命と懸け離れた差別的な道徳観を撒き散らしている。その理由は、科学者自身が俗悪で差別的であるというところに求められるだろうが、しかしむしろ、科学者自身が、科学の意味するところについて真摯に思考していないというところに求められるべきである。科学は役立つと法螺を吹くだけで、科学の中立性について真剣に考えることがないのである。(21頁)

ちょっと笑ってしまうくらいクセの強い本。

ドゥルーズの哲学を分かりやすく解説してくれる本を探しているのだが、いきなり数学とか科学とか、「解けない微分方程式」とか分子生物学とか、難しい話が続く。

プラトニズムの転倒(97頁)あたりから理解できたが、やはりクセが強い。

3回くらい読むと、心地良くなってきたから、著者の他の本も読んでみたい。