やっと読んだ

 

もちろん、自分自身に、自分自身の地位に、自分自身の役割に閉じこもることは簡単です。けれども、ちょっと変わった人がいるような場所を少し散歩してみればいいのですよ。そんな人があなたに「こんにちは」と言うか分かりませんが、彼らのものの言い方が少し居心地を悪くさせるというのではなく、あなたの壁を壊すのですよ。そのときこそ何かを発明しなければならないのです。(124頁。強調引用者)

ガタリと同じ精神病院のメンバー、ジョン・ウィリーの言葉。

私は、変わった人が大好きなので、上記の言葉を読んで頷いた。

思えばドゥルーズは、ものすごく変わった人だ。

本書では「異人としてのドゥルーズ」として捉えているが、人もさることながら、思想も異人である。

岩波新書の『ルイ・アルチュセールーー行方不明者の哲学』を読んだ時も、こんな変な人がいるのかと勇気づけられた。

アルチュセールの思想は、私でもそこそこ理解できるけど、ドゥルーズは、私の手に負えない。

ドゥルーズは、主著『差異と反復』以前は、わりと手堅い哲学研究者だったのに、どんどん脱線して、とんでもない所まで行ったから。

ところが本書を読んでいると、『差異と反復』以前から、アクの強い人だったらしい。

私は、こういう変な人が、わけのわからない事を言っていたと知ると、とても嬉しくなる。