金曜・・・

父の遺品を整理するのは、勇気のいる事だ

私は、父の物を処分する時、まず自分の物から捨てる事にした

父の本を捨てる前に、自分の本を捨てたり、父の仕事の書類を捨てる前に、自分の書類を捨てる

しかし父が部屋に飾ってあった物を捨てる時、私は躊躇する

自分の物も、捨てられないからだ

父が観光地で買ったお土産の類、これらは自分の物であっても、捨てるのが困難だ

とはいえ、部屋に置きっぱなしも良くない

置きっぱなしだと、時間が過ぎていったことを物語る

なんの変化もなく、遺品が置かれたままであれば、「あれから2ヵ月経った」「あれから半年経った」「あれから一年経った」と、時の経過を嫌でも意識する

仕方がないので、捨てられない物は、目につかない場所に移動させて、隠してみる

だけど、移動場所にもこだわってしまい、父の物を、物置にある不用品と並べておくのも気がひける

目につかない場所は、物置のような空間となっており、そこに父の遺品を置くのは、私にはできない

だから父の遺品を整理する前に、まず物置から片付けなければならなくなり、より大きな断捨離へと発展するのだった