木曜・・・
日雇いバイトを、やめた
給料を、払ってもらえなくなった
哀しい
人を信用するのは、むずかしい
こういう扱いを、以前も受けたことがある
学生時代に、ある日雇いバイトをした時も、こんな事があった
学生の時は、まるで友達のような感じで雇ってもらえたのだが、給料を支払ってもらえず、トンズラされた
あの時と似たような事を、まさか今、繰り返すとは
ショックを受けて、何も言えない
日雇いバイトに慣れてきた途端、こんな仕打ちを受けた
人が信用できなくなり、今日は、家の木をノコギリで切った
直径15cmぐらいの木を、ノコギリで1時間かけて切った
木を切るのは、初めてである
怒りをこめて、木を切った
人を切ると犯罪だが、木を切っても犯罪にならない
木を切る時は大変だった
だけど、バラバラ殺人をすると、もっと大変なんだろうな、と思った
ノコギリを小刻みに動かすと、疲れてくる
しんどい時、私は、給料未払いの恨みを思い出して、より力をこめて木を切るのだった
木を切るコツは、丸い木を、ズボッと切るのではなく、円を描くようにして切るのが良い
ノコギリを闇雲に前に進めるのではなく、時計まわりにしてノコギリを進め、最後に木のド真ん中を切るような感じで、ぐるりと切ると楽だ
木を1本切ってスッキリしたが、まだ切らなければいけない木がある
丸い木に対して、ノコギリをまっすぐ進めるのではなく、周囲から切っていき、最後に木のド真ん中を切る為、そのための空間が必要になってくる
ノコギリをうまく回すための空間がなければ木を切れず、2本目の木は、枝だけ切った
2本目の木は、楽しみをとっておくような感じで、後日、切ろう
人を切りたくなったら、まず木を切りなさい、と私は言いたい
そうすれば、木を切る愉しみに気づくであろう
木を切る、それは禁じられた快楽・・・