日曜・・・

備前焼・・・

やっと、辿り着いた・・・

備前焼の良さに、私は気づいた・・・

遅かった・・・

だいぶ回り道をした・・・

古伊万里から始まり、中国・朝鮮の焼き物に騙され、民藝のオバサンくさい焼き物に惑わされ、あげく地元の丹波焼にうつつを抜かしてきた・・・

民藝のオバサン臭には警戒しつつも、私は知らず知らずにうちに、人間の手仕事に惹かれていた・・・

だが、すべては間違いだった・・・

備前焼こそ、焼き物の王道である・・・

かつて有名な陶芸研究家が「日本人は信楽李朝で死ねる」と言った・・・

しかし備前焼であれば、死ねるのではなく、死ぬのである・・・

備前焼で死ぬ、私はその覚悟を決めた・・・

ある現役作家の個展を見て、ハッ!と目覚めた・・・

自然のままの美、人為を超えた神の領域の美に、私はついに触れたのである・・・

なんて素敵なんだろう、これこそ本物の美だ、と思ったのだが、値段を見ると、手が出せない・・・

そこでヤフオクを物色してみたら、名のある人は、見事なまでに高い・・・

1000円、頑張っても5000円までしか出せへん私には、とても買えた金額ではない・・・

無理をして買ったら、生活費に困って、まさに備前焼で死ぬ・・・

やはり美術館で見ているだけで、満足だ・・・

黒い焼き物は、照明次第で、とんでもなく美しく見える・・・

最高の焼き物は、最高の環境で見ることこそ、ふさわしい・・・