土曜・・・

美術館に行ってきた・・・

5時間かけて、150点見てきた・・・

やはり焼き物が、良い・・・

備前焼の良さが、分かってきた・・・

とうとう私も、オッサンになったのである・・・

備前焼みたいなウンコ色をした焼き物を、私は拒んできた・・・

しかし歳をとってみると、備前の良さが、しみじみと分かってくる・・・

備前は土味がたまらんのだよ、と私もオッサンの口真似をして、焼き物を撫でてみたいものだ・・・

ああいう土色の焼き物は、照明によって迫力を増す・・・

光のあて方によって、焼き物の見え方が、違うのだ・・・

ウンコ色だったはずが、暗いところで光をあてると、焼き物が輝きだす・・・

日本は、古来から自然に美を見出してきたが、まさに焼き物の形をして、自然のままの美が、そこに現れるのである・・・

中国や朝鮮の焼き物は、白さを目指し、完ぺきな造形が求められてきたが、日本の美は自然のままの歪み、あるがままに汚れた器が、愛されてきた・・・

豪快に崩れ、奔放に釉薬が流れ出たかに見えるけれども、その実、作家個人の意図をも感じさせる、その自然と人工の間に美はあるのだ・・・

この茶色くて、鈍く光る表面がたまらん、と顔を近づけて焼き物を見てきた・・・

そのせいで疲れてしまい、日本画までちゃんと見れなかった・・・

5時間粘って見てきたが、体力が続かないのと、閉館時間が迫っていたこともあって、這う這うの体で外へ出た・・・

備前焼に手を出したらオッサンの始まりだ、と嫌っていたはずなのに、私もまた、若さを失っていたのだった・・・