金曜・・・

沖縄と九州の焼き物で金を使いすぎたせいで、本州の食器を買えずにいる・・・

私は、自分の守備範囲を、日本の民藝の器に絞っている・・・

食器というのは、茶道具と違って、めちゃくちゃ数が多い・・・

この地球上には、100億枚以上の食器があるはずであり、茶道具と比べても、とんでも数になる・・・

茶道具は、日本国内と近隣アジアの焼き物だけが、対象になる・・・

しかし食器となると、世界中の器が対象になり、その数はゾッとするほどだ・・・

欧米の輸入食器もあれば、国内の派手な贈答品的な食器もあり、ここまで人類は食器を産み出してしまったのかと、呆れるくらい・・・

その中から私は、簡素で伝統的な美を謳う、民藝の食器に絞ることにした・・・

自分の好みは、骨董品の延長戦上にあり、骨董の今日的な解釈である民藝の器こそふさわしい、と判断した・・・

ところが実際に買ってみて、食卓にのせてみると、あまりに食器が美しくてメシが邪魔だ、ということがわかった・・・

食器が気になって、メシどころではなくなったのだ・・・

美しい食器は、メシが盛り付けられていない状態がいい・・・

なぜならメシが美しいとは限らないから、そのメシがあるだけで、食器の邪魔をしているように見えるのだ・・・

メシよりも、むしろ食器の方がおいしそうに見えて、この土から出来た陶器製の飯茶碗にペロペロとむしゃぶりつきたいくらいだ・・・

だから食器があまりに美しいと、食器を食べたくなるから、本末転倒だ・・・

メシがあってこその食器なのに、食器があればメシなんかいらん、という話になる・・・

私はどうしたらいいのだろう・・・

食器を買ったのに、これじゃメシが食えない私は、いったいどうすればいいんだ・・・

ちきしょう・・・

もう、何もいらない・・・

白で無地の食器でいい・・・

模様があるから目が行くし、模様がメシで隠されると気になるから、白い食器が一番ええ・・・