笑った

 

たとえば、われわれが今日見出す環境危機は、気候変動のような問題に還元されるべきではない。環境危機は、人間の社会における交換様式Cの浸透が、同時に人間と自然の環境を変えてしまったことから来る。それによって、それまで「他者」として見られていた自然が、たんなる物的対象と化した。こうして、交換様式Cから生じた物神が、人間と人間の関係のみならず、人間と自然の関係をも致命的に歪めてしまったのである。さらにそれが、人間と人間の関係を歪めるものになる。すなわち、それはネーション=国家の間の対立を各地にもたらす。つまり、戦争の危機をもたらすのである。(319頁)

↑読んでいると、時折、ハッとさせられる文章があり、切れ味が鋭い。

『世界史の構造』と重なる部分が多く、しつこいくらい生産様式から交換様式へと力説されてあって、超わかりやすくなっている。

今回は、交換・交通を成立させる力として、観念的、霊的な力(物神)が取り上げられている。

昔なら「命がけの飛躍」と言っていたことが、今では「霊的な力」になった。

私も、霊的な次元からとらえなければいけないと思っていた。

物質的だろうが科学的だろうが、もはや霊的な領界へと突き進んでいかなければいけないと、私は決意している。

柄谷のいう霊的な力とは違う世界にまで、私は突き進む。