金曜・・・

昨日書いたとおり、掛け軸を買った・・・

ヤフオクで6000円・・・

戦後すぐに亡くなった、マイナーな日本画家・・・

有名画家の弟子だから、師匠の影響が絵に表れている・・・

有名画家の絵は高くて買えないけど、その弟子筋で、マイナーな画家なら、私でも買える・・・

いつも私は、1000円ぐらいの安物の掛け軸を買っていた・・・

水墨画、淡彩、俳画、俳句の一行書、漢詩の三行書など・・・

余白の多い、枯れた作品ばかり買っていた・・・

だけど約50点ぐらい集めると、ある程度、飽きてきた・・・

同じような作品を買う必要はないな、と思って見送ることも多い・・・

また、約50点集めると、置き場所に困り、邪魔になってくる・・・

だから、最後の一点のつもりで、ちょっと無理して、金を出した・・・

6000円だから、たいした物ではない・・・

しかし、これが、したたかに良い・・・

絵の良さが、後からジワジワと、地味に分かってくる・・・

こういう風景画で、わりと太い線の、おおらかで田舎臭い絵が好きなんだな、と自分の好みがはっきりした・・・

美術館にあるような、細い線で、細かく描かれた、美しい作品は、私好みではない・・・

太い線の禅画っぽい作品も、見ているだけで胃もたれしそうだから、いまはいい・・・

ほどほどに太い線で、のびのびと、肩ひじ張らずに、墨で気軽に描かれた風景画が、私の好みだ・・・

なのに掛け軸を手にとって、広げた瞬間、ハッとさせられるから、ただの田舎絵ではない・・・

見る人が見れば、繊細さの欠けた、雑な絵に見えるかもしれない・・・

しかし顔を近づけて、至近距離で見れば、はりつめた緊張感が伝わってきた・・・

作家の精神性なのか、それとも前の持ち主の愛着なのか、正体は分からないが、品の良さがこの掛け軸にある・・・

ヤフオクで買っただけに、どうせ画像では分からないキズとか汚れとかあるかな、と期待を下げて、私は掛け軸を広げた・・・

ところが掛け軸を広げた瞬間、ええ買い物したな、と満足を覚えた・・・

これは大切にしないといけない・・・

いままで48点、掛け軸を買ってきたが、やっと満足のいく作品と出会えた・・・

良い掛け軸を手に入れると、選ぶ基準が変わってくる・・・

このレベルの掛け軸を基準にして、これからはヘンな物を買わないように気をつけたい・・・