火曜・・・

この前買った掛軸を、広げてみた・・・
掛軸を買ってみたものの、まだ家の中で、掛けてなかった・・・
買った後で仕舞ったまま、あの絵は、ああいう絵だったよな、と思い出すのも、また愉しい・・・
で、買ってから数週間経って、初めて自分の手で広げてみた・・・
そしたら、少しガッカリした・・・
やはり5000円で買っただけに、値段相応の出来だな、と気持ちが離れる・・・
京都国立近代美術館の超大作と比べると、そりゃランクは遥かに落ちる・・・
傑作の何分の1か、何百分の1のサイズになっても、小さな規模で画家独自の特徴が出ているから、これはこれで良しとしよう・・・
あの骨董屋のオヤジが持っていただけに、間違いはないだろうし・・・
私の物は、色紙二枚分の大きさだから、茶室に入りそうなサイズ・・・
この大きさで、5000円はやはり高いと思う・・・
そういうことで、ヤフオクで物色してみた・・・
安く買いたい、というスケベ心が、ヤフオクを覗かせる・・・
そしたら、年末のドサクサに紛れて、気になる掛軸を見つけた・・・
つい最近、美術館で見たばかりの、マイナーな画家の掛軸が、ヤフオクで2本2000円台であった・・・
安いな、と思った・・・
だが2本とも、ピンと来なかった・・・
どこにでもある山水画の域を出ていない・・・
この画家の持ち味が、2本とも見られない・・・
ネットを検索し、美術館に収蔵されている作品と見比べてみる・・・
美術館にある作品は、現代でも通用しそうなほど、新鮮な印象を受ける・・・
この画家は、こういう感じの人なのだな、という特徴が一目で理解できる・・・
だが、いま2000円の軸は、凡庸な感じだ・・・
しかも作者名のところに「〇〇筆」と書いてあったが、「〇〇作」ではないのは何故なのか、と不思議に思った・・・
名前が同じだけで別の画家ではないか、と考えて、ヤフオクの物は見送った・・・
微妙な作品を買っても、邪魔になる、と判断した・・・
結局、2000円台で落札されたようだが、直前まで悩んで、入札しなくてよかったと思う・・・
その掛軸を大切に扱いたい、というレベルの作品でなければ、わざわざ身銭を切りたくない・・・
大切に扱うのも、それなりにカネや手間がかかるからだ・・・
掛軸は、湿気対策として、和紙で包んで保管すればよい、と書かれてる・・・
だが私ぐらいケチな人間になると、大きい和紙を買う金が惜しいから、書道用の半紙で包んでいる・・・
書道用の半紙を、仏壇のお供え用の敷き紙にしており、その余った半紙で、掛軸を巻くのだ・・・
それくらい湿気は、本当に大敵だ・・・
わずかな年数であっても、湿気があれば、シミができる・・・
たいした物ではないだろうと思って、平成の出来の茶道用の風炉先屏風を粗末に扱っていたら、シミができてしまい、後日、その屏風がそれなりに由来のある物だと知って、扱い方を変えたことがある・・・
しかもその屏風の入れた段ボールを、野良猫が家に入った時の壁として使っていたから、汚い猫がヒッカキ傷をつけてしまった・・・
だから湿気だけが敵ではない・・・
いちばんの敵は、モノの価値を知らない私だった・・・