木曜・・・

父が、ずっと入院している。

4月になり、医者が代わった。

おっさんの医者になった。

すごく感じの悪い医者だ。

医者の発言一つ一つが、患者の家族の神経を逆撫でするものだった。

この小さな所しか正常でありません、

とか、

もってあと数日です、

とか、

私の経験上、良くはならない、

などと医者が無神経に言う。

早く楽にさせてあげたらどうですか、とまでヌカす。

侮辱、だと思った。

医者からハラスメントを受けた。

日曜日までもちますか、と聞くと、

できるだけ頑張ってみます、とおっさんの医者が言う。

おまえが頑張るのは当たり前やろが、と私は医者を激しく憎みながら、病室に通された。

おっさんの頑張ってみますアピールは要らんのや、と医者への憎悪を燃やしつつ、私は父と会った。

父と会うと、思っていたより、元気そうだった。

クソ医者が散々脅す割には、いつもどおり普通だった。

特別な部屋から、一般病棟へ移るはずだったが、まだだ。

酸素の量が、増えているから。

家にいた時よりも、機械で送る酸素の量が、10倍に増えている。

酸素の量が、15であれば一般病棟へ移れるらしいが、いまは、30手前だった。

機械で送る酸素の量にも上限があって、30から上へは、あまり余地がない。

もっと酸素の量が必要になると、きわめて危ない事になる。

30から上に、どれだけ機械の目盛りがあるのか、私は見ていない。

酸素の量が、30から増えると、病状は悪化した事になる。

父は、現状維持であればいい。

これから回復して退院し、家へ帰ってきて今までどおりの生活を続ける、という大きな事は望んでいない。

現状であればそれでいい、と私は覚悟を決めている。

医者の悪質な言動は、ハラスメントとして社会的に問題にされなければいけない。