火曜・・・

ヤフオクで2件、欲しくなったとしよう・・・

最初に終了する1件目は、状態が悪く、安い・・・

後から終了する2件目は、状態は良いが、これから値が吊り上がりそう・・・

その場合、最初に終了する物を、確実に買う・・・

状態が悪くても安い物を、まず確実に落札したうえで、2件目を狙うのだ・・・

最初に終了する物を見送ったら、後から終了する2件目が、値段が吊り上がった場合、何も買えない事態に陥る・・・

だから2件とも空振りになるのを防ぐために、確実に1件目を落とし、2件目も様子を窺えばいい・・・

それが私の掟だ・・・

このルールを確立するために、私は何度も失敗した・・・

最初のブツを買っといたらよかったやんけ! と眠られぬ夜を過ごした・・・

多少の状態の悪さなら目をつむって安いブツを買え! 

私が言いたいのは、それだけだ・・・

そういうわけで・・・

買った・・・

ヤフオクで・・・

掛け軸・・・

あるマイナーな日本画家・・・

明治生まれで、戦後も長く生きた人・・・

当時は有名だったけど今では歴史に埋もれた画家・・・

上手いんだけど、今の流行りではなく、たいして値段がつかない・・・

美術品というより、床の間がどの家庭にもあった時代の、調度品のような掛け軸・・・

職人芸的で、結構な数の作品が残っているから、安く買えた・・・

1400円・・・

人物画なら、まだ人気はあるが、私が買ったのは、地味な山水画・・・

山があって、滝がある風景だから涼し気で、これから暑くなる時期にいいだろう、と購入・・・

で、掛け軸が届いて、広げた瞬間、まず唸った・・・

やはり昔は有名だった画家だけに、芸が細かく、手を抜いておらず、近くで見ても耐えられる・・・

うーーーーーーん、と掛け軸を広げたら、見入ってしまって手がとまる・・・

ただし、掛け軸の状態が悪く、紐が切れているから、壁に掛けられない・・・

掛け軸を掛けられないから、片っ方の端を母に持ってもらい、私がもう一方の端を持って、掛け軸を広げた・・・

母に掛け軸を持って貰った状態で、私は、ずーーーーーと絵を見続けていたのだった・・・