水曜・・・
焼き物は、昔から集めていた・・・
100年以上前の骨董品、有名な産地の民藝品など、焼き物には、こだわってきた・・・
だが、それは自分で発見した、自分だけの感性ではなかった・・・
多くの人が昔から評価してきた焼き物の中から、自分も良いと思った物を、集めたに過ぎなかった・・・
自分で焼き物を選んでいるように見せかけて、実は選ばされてきたのだ・・・
だから私は、焼き物を選ぶ独自のルールを、打ち立てなければいけない・・・
どういう基準で、その焼き物を買おうと決断し、そして、いくらまでカネを出すのかを値踏みしなければいけない・・・
とりわけ私が今、狙っているのは、誰も買いそうにない、今出来の焼き物だ・・・
あえて私は、あまり評価の高くない、むしろリサイクルショップで並んでいそうな、邪魔もの扱いされた焼き物を、狙っている・・・
なぜなら、安いからだ・・・
高い値段の焼き物は、よう買えへん・・・
安い物で、量産品とは違う重みがあって、味のある焼き物を、私は探している・・・
でも邪魔もの扱いの不用品レベルの焼き物だから、私だって邪魔だと思うこともある・・・
だから私は、あえて自分の体調の悪い時、焼き物を鑑賞してみる・・・
寝不足だったり、空腹時だったり、イライラしている時に、焼き物を見てみる・・・
それでもなお、その焼き物が私を癒してくれるのなら、それはホンモノだ・・・
自分が体調の悪い時に焼き物を手にとってみて、思わず壊したくなる衝動に駆られたら、それは邪魔ものなのである・・・
したがって、飽きが来ない、どこにでもありそうな、平凡な焼き物が、意外と良い・・・
目になじむ平凡な焼き物が、案外、最後まで残っていくだろう・・・