国籍・・・

曾祖父が、済州島に本籍のある朝鮮人だった、と初めて知った・・・

朝鮮人として生まれたけれども、帝国日本の侵略によって、途中から日本人になった・・・

そして1920年代の早い時期に大阪に移住して、日本人女性と出会い、1923年に祖父が生まれた・・・

祖父は日本で出生届を出しているから、生まれた時から日本人だ・・・

曾祖父は戦後、外国人登録令によって外国人とみなされた後、若くして亡くなった・・・

サンフランシスコ講和条約による国籍離脱者となる前に、亡くなってしまった・・・

だから曾祖父の事を、父は知らず、父は自分のルーツが朝鮮にあった事など、知らずに亡くなってしまった・・・

戸籍は戦争で燃えて無くなった、と祖父の言葉をうのみにして、戸籍を遡って取得することはなかった・・・

もし父が曾祖父の事を知っていたら、済州島の歴史を調べていただろうから・・・

父の本棚には、日本の歴史の本ばかりだから、自分が純粋な日本人だと、信じていた事だろう・・・

父は歴史好きなのに、自分の家系を調べなかったのには、ワケがある・・・

というのも曾祖父がヤクザで、大阪湾を埋め立て工事の人夫を集める、人材派遣業みたいな事をやっていたから、あまり曾祖父を調べる気になれなかったのかもしれない・・・

祖父からは、曾祖父の事を何も教えてくれなかったし、戦争の事も話してくれなかった・・・
曾祖父が若くして亡くなった事で、祖父は兄弟の面倒を見て苦労してきたらしく、あまり過去を思い出したくないのかな、と思った・・・

だけど、まさか曾祖父が朝鮮人だったとは、祖父が生きているうちに、詳しい話を聞きたかった・・・

1920年代の初頭に、日本にいた朝鮮出身者は、3万人だったという・・・

ということは、かなり早い段階で、曾祖父は移住して、大阪で事業を始めた、大変ガッツのある人物のようだ・・・

曾祖父は1893年生まれであり、朝鮮の植民地で皇民化教育が実施されるのが1911年だから、日本語も勉強せずに大阪へやってきた、気合いと根性のある人だ・・・

そういう人物が3代前の先祖にいて、私は大変うれしい・・・

気合いと根性があれば、道はひらくのである・・・