読んだ

 

若い研究者が書いているから、ちょっとナメた気持ちで読んだのだが、感心した。

非常によく書けているから、私はメモ書きしつつ、読んだ。

図書館で借りて、良い本だから買おうかと思ったけど、よーーく考えたら、結局はハイデガーそのものが良いのだ。

存在、実存、死への先駆という脅し文句と、ナチスへの近さ、そしてあのハイデガーの顔が、危険なロマンを掻き立てる。

私はこの本の、死への先駆が解説されている第8章を、特にしつこく読んだ。

昔は、死についてのこの脅しが、あまり好きではなかった。

どちらかというと私は、決め台詞の嵐のようなオルテガ流の「生の哲学」が好きなので、ハイデガーは暗くて怖くて難解で、避けていた。

だが今は、死が近づいている私にとって、ハイデガー哲学に癒される。

といっても、私は30代のプロのうつ病患者ですけどね。

死が私に近づいているのか、それとも私が死に接近しているのか・・・